日進月歩の微細加工技術に挑み、先端デバイス研究に伴走する
渡辺 英一郎Eiichiro Watanabe
技術開発・共用部門 材料創製・評価プラットフォーム 微細加工ユニット 主任エンジニア

「微細加工ユニット」では、半導体材料を主とした先端デバイス用の材料研究やプロセス技術開発を支えるため、クリーンルームと50台以上の微細加工・評価装置を共用しています。リソグラフィから薄膜形成、エッチング、デバイスの性能評価まで、電子・光デバイスの研究開発に必要とされるプロセス技術をワンストップで提供しています。近年、特に大きな反響を得ているのが「電子ビーム描画装置(JBX-8100FS)」です。この装置は、半導体基板などにナノメートル(nm)サイズのパターンを描画するリソグラフィプロセスに用います。JBX-8100FSの利点は主に、パターニングの微細化、高速化、高精度化の3つです。まず、加速電圧が最大200kVと高加速であるため、従来の装置よりも電子ビームを細く絞ることができ、より微細なパターンが形成できます。また、長時間を要する周期的パターンを従来の装置と同条件で描画したところ、所要時間を5分の1に短縮できました。これは研究開発の加速化に直結します。加えて、多層構造をもつデバイスでは各層の重ね合わせ精度が性能に大きな影響を及ぼしますが、JBX-8100FSではその誤差を±10nm以下に抑えられます。
私たちエンジニアの役割は、装置の性能を最大限引き出し、ユーザーに提供すること。JBX-8100FSでも描画条件の検証を重ね、さらなる微細化・高速化に挑戦しています。また、当ユニットではエンジニア全員がすべての装置に対応できるよう研鑽を積んでいます。ユーザーがいつ利用しても高水準なサービスを受けられる体制を整えているのです。材料を任意の形状に加工して配線を形成し、デバイス構造をつくり込むうえで最適な装置・プロセスは何か——その探究こそがものづくりの醍醐味です。ユーザーの要望に応え続けられるエンジニアでありたいと、常に新しい知識や技術にアンテナを張り、習得に励んでいます。

電子ビーム描画装置 [JBX-8100FS]
[利用形態]
- 機器利用…ユーザー自らが機器を操作、解析する。(利用者は事前に機器操作のトレーニングを受け、ライセンスを取得する必要あり)
- 技術指導…NIMSスタッフの補助のもと、ユーザー自らが機器を操作する。
- 技術代行…NIMSスタッフがユーザーの代わりに機器を操作、解析する。
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