Vol.25 No.1
透過型電子顕微鏡「Spectra Ultra S/TEM」Cover Story

「透過型電子顕微鏡(TEM)」は、厚さ数十ナノメートルという極薄の試料に電子線を照射し、透過してきた電子を検出することにより、試料内部の結晶構造を観察する装置だ。最新鋭の「Spectra Ultra S/TEM」の特長は、加速電圧を切り替える能力に長けており、5分以内でレンズと試料ステージを安定状態にできること。また、多くのTEMには特性X線のエネルギーをもとに元素の種類を特定する「エネルギー分散型X線分析法(EDS)」の検出器が搭載され、その性能は「検出立体角」という値で表されるが、Spectra Ultra S/TEMでは、これまでのTEMにおける検出立体角の世界最高値1.9sradの2倍以上の4sradを実現。それにより、短時間で高精細な元素マッピングを得られるようになり、電子線に弱い材料などの測定も可能になった。NIMSでは2024年、NIMSの研究者を対象にSpectra Ultra S/TEMの共用利用を開始した。
(写真・石川典人)