材料科学者への近道!?
NIMS連携大学院生のリアル
研究所での学生生活ってどんな感じ?
どうしてNIMSを選んだの?
日本人学生と留学生の2人に聞きました。


小松 ひよりHiyori Komatsu
筑波大学-NIMS連携大学院 田口研究室 博士課程2年

フロリアン・トロッパーFlorian Tropper
九州大学-NIMS連携大学院 大村研究室 博士課程3年

Case #1
“憧れ”から踏み出した一歩。
修士で飛び込んだ最先端の研究現場
小松 ひよりHiyori Komatsu
筑波大学-NIMS連携大学院 田口研究室 博士課程2年
私は、高等専門学校でタンパク質に関して学び、学部時代は有機化学合成や超分子化学の分野で基礎研究に携わってきました。修士課程ではそれまでの知識を活かしつつ、より臨床に近い材料開発に取り組みたいと考えて筑波大学の研究室リストを眺めていたときに、NIMSの田口研究室が目に留まりました。実は、それ以前からNIMS の公式YouTube 動画が好きで、こんな研究所で働けたら……と憧れていたのです。まさか学生のうちからNIMSで研究できるとは思っておらず、一気に心を惹かれました。
一方で、やっていけるか不安な気持ちも大きく、すぐには受験を決心できませんでした。そんなときにYouTubeで生中継していたNIMS連携大学院の紹介イベントを視聴して、自分と年齢の近い先輩学生が熱意をもって研究に取り組む姿に触発され、挑戦の決意が固まりました。
NIMSには充実した研究設備が整っているだけでなく、国際学会での発表経験を積ませてもらえるなど、学生とは思えないほど研究者として成長できる環境があります。その分だけ成果を求められる厳しさもありますが、第一線の研究者から刺激を受けながら研究に打ち込める経験は、何にも代えがたい貴重なものです。学会発表は年間あたり、国際学会1~2件、国内学会5~10件ほど。博士課程1年次には、国際学会*でポスター賞を受賞することができました。
* World Biomaterials Congress 2024

そうした成果の背景では、修士課程という早い段階でNIMSの経済的支援によって自立し、研究に集中できたことも助けになりました。生活面の不安が少ないことは精神的な安定にもつながります。NIMSの制度以外でも、日本学術振興会(JSPS)の奨学金制度など、多様な制度のなかから自分に最適なものを選択できる自由度もあります。
一般的な大学に比べると学生数は少ないものの、決して孤独な環境ではありません。研究室や専門分野を越えて学生同士の交流があり、休日にはトロンボーン演奏や釣りなどの趣味を謳歌しています。将来は、研究もプライベートも充実した女性研究者のロールモデルになりたい――そんな思いで、あらゆることに全力で取り組む毎日です。

修士の一日ってこんな感じ!
〈授業がある場合〉


My research at NIMS
手術後に生体組織を塞ぐ「医療用接着剤」の開発に取り組んでいます。代表的な生体用接着剤である「ハイドロゲル」は水中で膨潤して強度が低下してしまうため、用途が限定的です。そこで私は、環状分子の「シクロデキストリン」に着目しました。この分子は外側が親水性、内側が疎水性の物質です。シクロデキストリンをハイドロゲルの構造に組み込み、疎水/親水性のバランスを精密に制御することにより、生体内で収縮して強度が向上する接着剤の創製に成功しています。
〈教員紹介〉
田口 哲志
Tetsushi Taguchi
筑波大学 数理物質科学研究群 NIMS連係物質・材料工学サブプログラム 教授 (NIMS連携大学院)
高分子・バイオ材料研究センター バイオポリマーグループ グループリーダー

フロリアン・トロッパーFlorian Tropper
九州大学-NIMS連携大学院 大村研究室 博士課程3年