材料科学者への近道!?
NIMS連携大学院生のリアル
研究所での学生生活ってどんな感じ?
どうしてNIMSを選んだの?
日本人学生と留学生に聞きました。


小松 ひよりHiyori Komatsu
筑波大学-NIMS連携大学院 田口研究室 博士課程2年

フロリアン・トロッパーFlorian Tropper
九州大学-NIMS連携大学院 大村研究室 博士課程3年

Case #2
世界中を探して見つけた理想の環境。
ここから広がる国際的なネットワーク
フロリアン・トロッパーTropper Florian
九州大学-NIMS連携大学院 大村研究室 博士課程3年
母国のオーストリアで修士号を取得した私は、さらに自分の研究を深く探究したいと考え、さまざまな進学先を検討していました。良い研究室さえあれば、世界中どこへでも行くつもりでいたのです。せっかくなので、ヨーロッパとは異なる文化に身を置き、博士課程の間に新しい言語を習得したいとも考えていました。ただ、実家から経済的支援を受けられない状況にあり、学費や生活費の負担も考慮する必要がありました。
世界各国の研究室を訪問するなかで、NIMSの大村研究室でのインターンシップは実り多い体験となりました。スタッフ全員が温かく迎えてくれ、実践的な指導を受けることができたほか、大村先生主催の学会に参加するチャンスにも恵まれました。短期間で多くの友人ができ、去りがたく感じたほどです。また、たとえ優秀な成果を上げていても、過度な競争や個人主義的な傾向が強い研究室は自分には合わないと感じていたなか、チームプレーで先進的な成果を上げている大村研究室はまさに理想の環境でした。
進学が実現したのは、学生でありながらNIMS ジュニア研究員として給与を得られることが決まり、経済的な問題がクリアできたおかげです。NIMS 連携大学院のように、優れた研究設備・建設的な風土・経済的支援のすべてがそろうのは世界的にも珍しい環境です。
来日当初、言葉の壁があった私にとって、NIMSスタッフによる生活のサポートは本当に助けになりました。銀行口座の開設、保険などの手続き、病院への付き添いといった数々の支援のおかげで、日本での生活をすぐに軌道にのせることができました。唯一難しく感じたのは、時差が8時間近くある母国の友人たちとの交流です。それも今ではフレックスタイム制度*を活用し、ときには睡眠時間を調整しつつ、研究への集中力を最大限高めることができています。
どんなときにも、友人の存在は大切です。NIMS には世界中から研究者や学生が頻繁に訪れるため、NIMSにいながらにして国際的なネットワークを築くことができる点も気に入っています。NIMSでの経験は私にとって大きな財産になると確信しています。
*NIMSジュニア研究員には、NIMSの就業規則が適用される。


My research at NIMS
私の研究テーマは「金属が変形し始める瞬間に何が起きているのか」。特にタングステンは炉の遮熱材として優れた性能を持つ一方で脆いため、延性挙動の解明が不可欠です。私は、「ナノインデンテーション」という装置を用いて金属に針を押し込み、荷重や深さなどを高精度で記録することによって原子の挙動を調べています。装置内には1000℃まで加熱できるモジュールも搭載し、温度の影響も観察しています。装置の操作は非常に繊細で苦戦することもありますが、その奥深さを楽しんでいます。
〈教員紹介〉
大村 孝仁
Takahito Ohmura
九州大学 工学府 材料工学専攻 教授 (NIMS連携大学院)
構造材料研究センター センター長 / 材料強度グループ グループリーダー

小松 ひよりHiyori Komatsu
筑波大学-NIMS連携大学院 田口研究室 博士課程2年