そして、飛躍へ―
卒業生に質問!
2004年に「NIMS連携大学院」がスタートして以降、 600名以上の学生がNIMSを巣立っていきました。
今回お話を聞いたのは、企業で活躍する卒業生2人。
NIMSでの日々を振り返っていただきました。


堅山 瑛人Akito Tateyama
株式会社カネカ 筑波大学-NIMS連携大学院 中西(尚)研究室 博士課程修了

後藤 一希Kazuki Goto
東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社 筑波大学-NIMS連携大学院 宝野研究室(当時) 博士課程修了
Case #1
休職して挑んだ異分野の道。
得た知識とスキルがかけがえのない武器に
堅山 瑛人Akito Tateyama
筑波大学-NIMS連携大学院 中西(尚)研究室 博士課程修了 株式会社カネカ

竪山さんのキャリア
2015– 東京工業大学大学院 修士課程
2017– 株式会社カネカ
2022– NIMS-北大連携大学院 博士課程
(株式会社カネカ 休職)
2025– 株式会社カネカ 復職
Q1
社会人を経て進学した経緯は?
A
かねてより博士課程に進学したいという思いがあったものの、修士号取得後は経済的な事情などにより就職を選びました。企業での研究の経験を積むなかで、進学について改めて考えるようになり、「業務とは異なる分野にチャレンジして新たな知識・スキルを修得したい」という気持ちを抱くようになりました。
Q2
会社側の反応はいかがでしたか?
A
幸いなことに、会社からは休職して学業に専念することを認めてもらうことができました。社会人が博士号取得を目指す場合、仕事と並行してでは学位論文研究に割ける時間が限られるため、業務に関連する内容を博士論文のテーマにするケースが多いと思います。それに対し、異分野に挑戦したいという私の想いを汲んで休職を認めてくれた会社には、深く感謝しています。「社内にない視点を身につけて復職後に活かしてほしい」と期待をかけていただきました。
Q3
NIMS連携大学院を選んだ理由は
A
プロの材料科学者に囲まれるNIMS の環境であれば、より高いモチベーションで研究に取り組めると考えたからです。また、会社ではなかなか取り組めない基礎の材料科学を追究しつつも、企業の研究者として実用的な重要性もある材料の開発に携わりたいと考えていました。そのため、「光・電子機能を有する有機液体材料」をテーマに先進的な成果をあげておられた中西尚志先生の研究室を志望しました。
Q4
NIMSでの大学院生活はいかがでしたか?
A
非常に学びの多い日々でした。ミーティングや発表の場では、異なる専門分野の研究者からハイレベルかつ多様な観点からアドバイスをいただく機会に恵まれました。また、一つの物質・材料を多面的に分析できる設備が整っていたため、材料に関するより深い知識や考え方が身についたと感じています。博士論文研究では、中西先生の開発された機能性液体材料をベースとした機能性ゲルという新材料の創成に取り組み、京都と沖縄で開催された国際学会でポスター賞を受賞することができました。また、振動センサの性能向上につながる研究成果(囲み参照)はメディアにも多数取り上げていただき、大変貴重な経験となりました。かつては経験がなかった物性の評価技術も修得でき、会社に復職した現在では、そうした知見を活かしながら日々の業務に励んでいます。

My research at NIMS
帯電処理を施すと内部に多くの静電荷を安定的に保持できるゲル材料(ゲル- エレクトレット)の開発に取り組みました。これは振動センサとしての応用が期待される材料です。私は、中西先生が開発した液体状のエレクトレットに微量の低分子ゲル化剤を添加することにより、固定化や封止性に優れ、静電荷を閉じ込める効果も向上したゲルの開発に成功。17 Hzの低周波振動に対して600 mVを出力する振動センサ(液体素子と比較して83%増)を実現しました。
〈教員紹介〉
中西 尚志
Takashi Nakanishi
北海道大学 生命科学院 ソフトマター専攻 教授 (NIMS連携大学院)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター ナノ材料分野 フロンティア分子グループ グループリーダー
〈関連プレスリリース〉
発電するゲル「ゲル–エレクトレット」の創成に成功

後藤 一希Kazuki Goto
東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社 筑波大学-NIMS連携大学院 宝野研究室(当時) 博士課程修了