Vol.24 No. 4
〈高分子・バイオ材料研究センター〉
しなやかに導け、素材革命。
軽くてやわらかい「ソフトマテリアル」は、驚くべき機能に富んでいる。
高分子の精巧なデザインによってつくり出されるこの材料は、電圧をかけるとアクティブに動いたり、温度や湿度に応じて形状を変えたりと、変幻自在にふるまう。
身体にぴたりとなじむウェアラブルデバイスをはじめ、医療の現場でも、人工軟骨やドラッグデリバリーシステムに欠かせない存在だ。
ソフトマテリアルの可能性は計り知れない。
「高分子・バイオ材料研究センター」は、生活の利便性を高める材料はもちろん、超高齢化社会における健康寿命の延伸を目指し、高分子材料のみならず、金属材料や無機材料を組み合わせ、材料の高機能化を進めている。
健康的で快適な、誰もが幸福な暮らし。高分子・バイオ材料研究センターが追求するのは、そうした豊かさだ。明るい未来の出発点となる材料を、ここから生み出していく。

Research Highlights NIMSの研究最前線
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2024.11.30
「液晶高分子アクチュエータ」で柔軟性と出力を両立する
電気や油圧などのエネルギーを機械的な動きに変換する「アクチュエータ」。近年、ソフトなアクチュエータのニーズが高まる中、吉尾正史は「液晶」ならではの特性を活かした新材料を次々と生み出している。 「柔軟で高出力」というジレン […]
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2024.11.30
次世代蓄電池の寿命向上へ!「高分子ゲル」の新展開を拓く
“固体と液体の中間”とも形容される、軽くて柔軟性に富む「高分子ゲル」。玉手亮多は、その構成要素である高分子と溶媒との相互作用を制御することにより、ユニークな特性をもつ高分子ゲルを多数つくり出し、その応用先の開拓を精力的に […]
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2024.11.30
ナノのブラシで材料表面を守る「濃厚ポリマーブラシ」
「濃厚ポリマーブラシ」と呼ばれる高分子化合物は、タンパク質や細胞などをほとんど吸着しない。その特性に早くから着目し、原理を学術的に明らかにするとともに、医療や工業など幅広い分野への応用研究を行っているのが吉川千晶だ。 生 […]
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2024.11.30
質量分析×AIで実現した「ポリマーシークエンサー」
高分子は、基本構造であるモノマーが百個~数万個も連なった鎖状分子だ。日比裕理らは、高分子に多様な機能をもたらすモノマー配列の出現頻度を質量分析と人工知能(AI)の併用によって定量化する「ポリマーシークエンサー」を、世界で […]
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2024.11.30
細胞を育むゲルの“孔”を相分離現象の誘起でつくる
幹細胞などを移植して、病気やケガで機能を失った臓器を再生させる細胞移植治療。高分子のゲルに移植したい細胞を内包させて、生体内に投与する。西口昭広は、細胞の生着率と生存率を向上させるゲルの開発に成功した。 細胞移植の精度を […]
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2024.11.30
治療から病態の解明まで医療を拓く「スマートポリマー」
力を加えて変形させるとその形状を保持できて、熱や光などの外部刺激に応答して元の形状に戻る「スマートポリマー」。医療材料としての応用が進みつつあるが、形状が回復する温度の高さなど、課題は多い。宇都甲一郎は生体内に近い低温域での制御方法を見出し、医療におけるスマートポリマーの活用の幅を拡げている。
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2024.11.30
「イオン液体」の界面で世界初の細胞培養に成功
プラスとマイナスのイオンのみからなる「イオン液体」は、分子からなる液体とは異なる不思議な性質を示す。その界面での細胞培養に成功した上木岳士は、培養効率の大幅な向上に意欲を燃やす。 蒸発も沸騰もしない不思議な液体 水やアル […]
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2024.11.30
医師と眼前の課題に挑む!「組織マーキング材」の開発
腫瘍などを的確に切除するための目印となる「組織マーキング材」。吉冨徹は医師と議論を重ね、内視鏡用局注針を用いて注入でき、組織内では拡散せずに長期間残留する、理想的な材料の開発に成功。実用化に向けて前進している。 外科手術 […]
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